愛なんて知らなかった そんなもの、 誰も与えてくれなかった。 誰も教えてくれなかった。 だからこそ、知りたかった 彼は 私に愛を与えてくれる My desire for... ― 出遭い ― 「っ…は、ん…」 甘い口付け 其処に一方的とは言えど愛はあった 「…、授業 始ま、んっ」 「やだ。俺の相手してよ」 さっき、昼休みの終わりを報せるチャイムが聞こえた。 それでも、この男は行為を止めようとしない。 場所は立ち入り禁止となっている屋上へ続く階段の踊り場 殆ど人が来ない場所とは言え、校内なのだが。 の手が制服へと伸びた もう止めることはできないか、と溜息を吐いて 行為を受け入れることにした 「…」 「…好き」 「うん」 「大好き」 「うん…」 「愛してる…」 「……うん」 その言葉を貰えるだけで、嬉しかった。 愛が与えられてるのだな、と心から感じられた このままと共に居れば、愛を知ることが出来るだろうか? “愛し合う” を愛すことが できるだろうか 「ん、…」 「…」 が下着に手を掛けた、その時 「…校内で不純異性交際は常識としてやめておけ」 「「 !? 」」 不意に、屋上から誰かが降りてきて、私たちにそう言った 「あ、跡部…っ!?わ、悪ィ俺行くわ!」 「えぇ」 跡部…確か、生徒会長で、テニス部部長… 興味ないから顔は知らないけど、凄く格好良いって噂されてる奴… …そういえば、ってテニス部だったかな(平部員だけど)(よくサボるし) 私は立ち上がり、その男を見据えた 「“ハジメマシテ”…跡部くん?」 口角を吊り上げ、微笑みながら言った 本当は、違う この間ホテルの前ですれ違ったのは―――…この男だ 「…お前、服くらい直したらどうだ?」 「ああ…そうね」 「…。」 制服を直そうとボタンに手を掛けたところで、やめた “跡部”を見つめる 「…なんだ?」 「アンタが中途半端なところで止めた所為で疼くのよね」 「…俺様に続きをしろってのか?」 「分かってるじゃない」 恥ずかしげもなく言った私に、跡部はクク、と咽喉で笑った 「お前…俺にも彼女いるの知ってるだろ?」 其処には、怒りなど無く、あるのは寧ろ 楽しそうな笑み 「何故?」 「ハッ…とぼける気か?」 「…まさか。知ってるわ。この間すれ違ったものね」 答えつつ、私は跡部に歩み寄る 跡部はそれに応えるように、私の腰へ腕を回した 私も首に手を回し、顔を極限まで近づける 「結構綺麗な顔してるのね」 「アーン?当たり前だろ?お前も綺麗だぜ?」 「ふふ…ありがとう」 「…お前、名前は?」 「………… 」 それが合図と言うように、私たちはどちらからともなく口付けた …こいつ、上手い も結構なものだったけど、流石は女慣れしてそうなだけはある 偶 然 の 出 遭 い で 私 た ち は 出 逢 っ た TOP / NEXT ( 06,08,02 ) ( 微エロとかってやたら恥ずかしいんですが )
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